コロナ禍になってよく聞くようになった「巣ごもり」とは?
2020年から世界中で流行しはじめた新型コロナウイルス感染症。 感染拡大を防ぐため、生活や働き方を大きく変えた・変わってしまったという方も少なくありません。そのような中でよく耳にするようになった言葉が「巣ごもり」です。では、巣ごもり(巣ごもり生活)とはどのようものなのでしょうか。
巣ごもりとは?
「巣ごもり」とはその名の通り、巣の中にこもった状態を指します。元々は虫や鳥などが自分の巣にこもる行動を指していましたが、コロナ禍になり人々が外食や旅行、行楽などへ出かけずに、自宅で楽しく過ごすことを表現するときにも使われるようになりました。
外出自粛を余儀なくされていた緊急事態宣言の時期が過ぎた昨今、以前ほど「外出してはいけない」という雰囲気が減ってきてはいます。しかし、相変わらず新型コロナウイルスが人々の生活に大きな影響を与えていると言っても過言ではありません。コロナ禍をきっかけに人々に定着した“巣ごもり”は、生活にどのような変化をもたらしたのでしょうか。
変化したライフスタイル
そもそも、新型コロナウイルスの影響を受けて、人々の生活に大きな変化が起きています。結果として、巣ごもり時間が増えたという人も増加しているようです。
デジタル化の普及
新型コロナウイルスの感染拡大予防として、テレワークやオンラインコミュニケーションの活用が盛んになってきています。テレワークが導入されて自宅で仕事をするようになったり、多くの人が集まる会議やセミナーをオンラインで行うようになったりするなど、デジタル化が推進されました。また、公立の小中学校でも緊急事態宣言下で休校に対応できるよう1人1台のパソコン導入が一気に進んだのも特徴的です。職場や学校でデジタル化が進んだことにより、各家庭でインターネット環境が必需品となってきました。それに伴い、巣ごもりの楽しみ方もインターネットを活用したスタイルが増えています。
多様化してきた生活
コロナ禍で働き方が多様化してきています。もちろん従来と変わらずに出勤をして仕事をしているという方もいますが、それ以外の働き方を選べるようになってきたのが大きな違いです。
- 毎朝出勤していたけれど、在宅勤務となって自宅で過ごす時間が増えた
- テレワークに対応するようになり、どこにいても仕事ができるようになったため地方へ移住した
- コロナをきっかけに会社勤めを辞め、フリーランスになった
このように、働き方が変わったことにより生活そのものが変化してきている可能性があり得るのです。
また、このような生活の変化は、住まい探しにも大きな影響を与えています。リクルートが2020年に行った「住宅購入・建築検討者調査[A1] 」によると、新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに住宅に求めるようになった条件として「部屋数が欲しくなった」(21%)、「遮音性に優れた住宅に住みたくなった」(18%)、「仕事専用スペースが欲しくなった」(14%)、「通信環境の良い家に住みたくなった」(9%)などが挙げられており、在宅ワークや在宅学習に適した住まいを求める人が増えてきているようです。巣ごもり時間が増え、自宅の快適さが重要になってきていると推測されます。
[A1]出典:リクルート「住宅購入・建築検討者調査(2020)
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/assets/20210603_housing_01.pdf
タイプ別の巣ごもりスタイル
コロナ禍により生活が変化し、巣ごもり時間が増えています。それに伴い、人々の消費活動も変化してきているようです。巣ごもりの過ごし方を、タイプ別に見ていきましょう。
おうち時間充実タイプ
Uber EATSのようなフードデリバリーを活用したり、お取り寄せグルメで贅沢な気分を味わったりすることを楽しんでいるタイプです。また、生活をちょっと便利にするような家電や雑貨を通販で購入するなど、巣ごもりの時間を充実させることを大切にしています。
ストレス発散タイプ
巣ごもり生活が長引き、運動不足やストレスを解消するために室内で体を動かしたいと希望する方が増えています。室内でオンラインレッスンなどのコンテンツを見ながらヨガやストレッチ、筋トレなどにいそしんだり、エクササイズDVDや運動系のゲームソフトなどを使って体を積極的に動かしたりしているようです。
趣味に没頭タイプ
ゲームや読書、映画鑑賞など、自分の趣味に没頭して過ごす人が増えています。例えば、コロナ禍になってからプラスチック・モデルの人気が再燃しているようです。また、音楽配信や雑誌・小説などが何冊でも読めるサブスクリプションサービスの契約も増加しています。
ハンドメイドタイプ
趣味と実益を兼ねて、手作りを楽しむ人が増えています。洋服や小物などを手作りするほか、いつもより手をかけた料理に挑戦してみるなど、巣ごもり時間で生活に余裕ができたからこその過ごし方をしています。また、フリマアプリなどがメジャーになってきたこともあり、作った物を販売して収入を得るという趣味と実益を兼ねた人もいるようです。
自己投資タイプ
巣ごもり時間を使って、これからのキャリアを見直すためにスキルアップに取り組む人も少なくありません。コロナ禍でオンラインセミナーが増えたことも気軽に受講できるようになった一因だと言えるでしょう。
まとめ
生活スタイルの変化により自宅で過ごす時間が増えた人が“おうち時間”を楽しむようになり、その様子を“巣ごもり”と呼ぶようになりました。巣ごもりの過ごし方は人それぞれ。家から出ることができない!とイライラしてしまうのではなく、せっかくの巣ごもり生活を自分らしく充実させてみてはいかがでしょうか。