巣ごもり需要とは?コロナ禍の影響で消費者のニーズはどう変化した?
コロナ禍から始まった巣ごもり生活。働き方やライフスタイルが変化していくなかで、巣ごもり時間が増え、消費者のニーズが変化してきています。巣ごもり需要とはどのようなものなのか、そして近年の巣ごもり需要の変化について見ていきましょう。
巣ごもり需要とは?
そもそも「巣ごもり」とは人々が外食や旅行、行楽などへ出かけることなく、自宅で楽しく過ごすことを表す言葉です。そして、巣ごもり生活が理由で増えた消費行動を「巣ごもり需要」と言います。
コロナ禍で仕事がテレワークへと切り替わる、外食を自粛する、人と会う機会を減らすなど、不要不急の外出を避けた結果、人々のライフスタイルは大きく変化しています。そのような人々が自宅に留まっているうちに、「もっとおうち生活を楽しもう」、「自宅で、より快適に過ごしたい」、「家で過ごすときにできる、娯楽が欲しい」といったニーズを高めていき、コロナ禍以前とは異なる消費行動が増えてきました。
増えていった巣ごもり需要の種類
2020年の初めから感染が拡大し始めた新型コロナウイルスの影響でステイホームが定着してきています。予想していたよりも自宅で過ごす時間が長引いたことにより、従来よりも需要が高まった消費行動があります。どのような巣ごもり需要が伸びているのでしょうか。
ネット通販やフードデリバリーなどのオンラインショッピング
コロナ禍以前であれば、多くの人が余暇に外出して買い物や外食を楽しんでいました。しかし、ステイホームの生活が始まってからは、ネット通販(オンラインショッピング)やフードデリバリーなどで済ませているという方が増えています。また、混雑時のスーパーでの買い物を避けるため、ネットスーパーを活用する人も増加傾向にあるようです。24時間いつでも気軽にパソコンやスマートフォンから注文ができ、外へ出ることなく完結するオンラインショッピングは巣ごもり需要で最もニーズが高まったジャンルではないでしょうか。
なお、当初は「外出せずに家まで届けてもらえる」という部分でメリットを感じて利用する人がほとんどでしたが、コロナ禍が長引くにつれ高級志向や健康志向といった加価値も望まれるようになってきました。旅行へ行く代わりに、気分だけでもプチ旅行を味わえるような贅沢なお取り寄せをしてみるといった気分転換としても活用されています。
また、注文した物を対面で受け取らず、玄関前に置いてもらう「置き配」(おきはい)サービスも一気に認知度が上がりました。
ゲームやオンライン書籍、動画、音楽配信などの娯楽系コンテンツ
行楽へ出かけない代わりに、自宅で趣味に没頭する人が増えています。なかでも、ゲームや娯楽系コンテンツに需要が集まっており、スマホやパソコンを使ったオンラインゲームは友人とコミュニケーションを取りながら楽しめるため子どもから大人にまで大人気。また、映画へ行く代わりとしてNetflixやAmazon Prime Videoのような動画配信サービス、手軽に小説やコミックが読める電子書籍のレンタルなど、月額固定のサブスクリプションを契約する人も増加しています。
家族で楽しめるようなゲーム機器、ボードゲームなどの売れ行きもアップしているようです。巣ごもりのおうち時間にゲーム機で遊ぶ人が増えたのか、任天堂が発表した2021年3月期における本体販売台数が2,883万台、と1年前と比べて37%も増えました。
リモートワークのための環境整備
感染防止対策としてテレワークを推奨する企業が増えたため、自宅でも仕事ができるようにWi-Fiなどのインターネット環境、パソコン周辺機器や机などの職場環境を整える必要が出てきました。また、最近では在宅ワーク用としてゲーミングチェアの需要が高まっています。コロナ禍が始まったばかりの頃は我慢していた人も、この長引く現在の状況を考慮して座り心地の良い椅子を求め始めているのかもしれません。
意外な巣ごもり需要も増えています
前述した巣ごもり需要は、どれも想像がしやすいものだったのではないでしょうか。次は、意外な巣ごもり需要をご紹介します。
家庭用ミシン
家庭用のミシンは年配の女性が購入するといった印象が強く、国内市場では長く縮小傾向が続いていました。しかし、コロナ禍になり若年層からのミシン需要が増えています。巣ごもり生活の趣味として手芸を始めるのはもちろん、作った物をフリマアプリ等で販売して収入を得る人が増えていることも要因となっているようです。
ギターやウクレレのような小型弦楽器
コロナ禍になってから需要が伸びているもののひとつに、ギターやウクレレなどの小型な弦楽器があります。特に電気を使用しないアコースティックギターは比較的音が小さいため、周囲への騒音を気にせず弾きやすいのがポイント。YouTubeなどの動画でギターの弾き語りを見て興味を持ち、初めて手に取ったというケースも少なくありません。
まとめ
長く続く巣ごもり生活により、消費者のニーズが変化してきています。巣ごもり需要によって景気が上昇傾向にある企業もあれば、逆の企業もあるでしょう。今後、どのような巣ごもり需要が増えてくるのか、ぜひ注目してみてはいかがでしょうか。