三密とは?三種類の密の意味をわかりやすく解説

「三密(さんみつ)」という言葉は、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、未知のウイルスに全世界がおびえた2020年に生まれました。3つの「密」状態を避けるよう、感染対策を呼び掛けた標語ですが、3つの密は何か正確にご存じでしょうか。ウィズコロナ時代に入り、コロナとの共存が求められている今だからこそ、三密という言葉について改めて確認しておきましょう。

三密とはどんな状態?

三密とは、「密閉」「密集」「密接」をいいます。集団感染を防止するため、首相官邸と厚生労働省が作ったキャッチコピー。小池百合子東京都知事が記者会見で、何度も繰り返し口にしたことから、一気に普及しました。

当時「三密になるから集会は中止しよう」「三密を防ぐには…」といった形で使われ、自主的な行動規制が促されるようになり、三密は2020年流行語大賞を受賞したほか、年末恒例の世相を表す漢字を選ぶ「今年の漢字」 に「密」が選ばれました。

三密の誕生秘話、誰が作り、誰が広めた?

三密という言葉が誕生したのは2020年3月9日。 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議で、クラスター(集団感染)が起きた事例の共通点として、以下の3つの「密」があったと発表したことがきっかけです。

  1. 換気の悪い「密閉」空間
  2. 多数が集まる「密集」場所
  3. 間近で会話や発声をする「密接」場面

もし三密という言葉がなかったら、新型コロナウイルスを避けるために、換気の悪い場所や、人が大勢集まる場所を避けて、至近距離で会話をしないでおこう、と説明されていたかもしれません。そう考えると三密は分かりやすくキャッチ―な言葉と言えるでしょう。

三密の意味を確認しよう

新型コロナウイルスの第8波が到来した、と言われています。ワクチン接種やPCR検査などが行われ、ワクチン接種を行うことで重症化リスクが低くなったとされていますが、副作用に悩まされている人もいるため、感染しないに越したことはありません。

3つの密がどのような状態なのかを改めて確認し、自分の周りが、三密になっていないかをチェックしてください。

三密の密の1つ目は密閉

1つ目は密閉です。密閉空間とは、窓がなかったり、換気ができていなかったりする空間のこと。密閉されていると空気が滞り、ウイルスが同じ空間で浮遊し続けるため、感染リスクが高まります。

具体的にはライブやコンサート会場、映画館、カラオケボックス、高層ビル、地下街などは、窓がない、もしくは窓を開けて外気を取り込めない施設や建物に該当します。

病院や工場も、衛生上や安全上の理由から密閉状態が保たれています。

バスやタクシー、鉄道といった公共交通機関も密閉空間の代表例です。新型コロナウイルスの感染が拡大する初期段階の2020年には大型クルーズ船や観光バスなどでクラスターが発生し、問題となりました。

三密の密の2つ目は密集

2つ目は密集です。密集状態は、大勢の人が一か所に集まったり、少人数でも近い距離に集まったりすることで生じます。不特定多数が集まる場所や場面には、無症状の感染者がいるかもしれません。オミクロン株は飛沫感染でなく、エアロゾルによって感染することが確認されています。つまり、マスクを着用していても感染するため、密集している人混みはリスクが高いと言えるでしょう。

都会ではコロナ前までは混雑しているのが当たり前でしたが、コロナと共存する日常が3年目を迎え、外国人の入国制限の緩和、大規模イベントの通常開催など、人との距離が近いと感じる場面が至る所で発生し始めています。

閉鎖された密閉空間に大勢の人が集まると密集状態が生じます。具体的には、朝夕など混雑している時間帯の電車やバスなどの公共交通機関、昼食時の混雑した飲食店やレストラン、大勢の人が集まったライブ会場、バーゲンセールで混雑しているショッピングセンターなどが挙げられます。

三密の密の3つ目は密接

3つ目は密接です。密接した状態で話をしたり声を出したりすると、ウイルスを含んだ飛沫が飛び散り、感染リスクが高まります。WHO によると、5分間の会話で1回の咳と同じくらいの飛沫(約3,000個)が飛ぶことが報告されています。

人はアルコールが入ると、大声になり、会話が弾む傾向にあります。飲食店や居酒屋などでアルコールの提供が禁止されたり、お店の閉鎖を余儀なくされたりするなど、危機的状況に陥ったことは記憶に新しいのではないでしょうか。

3つの密が重なる場所は高リスク

換気が悪い密閉空間に多くの人が集まり、距離を取らずに会話をしたり大声を出したりする状態になると、3つの密が重なり、「三密」状態となります。換気の悪い場所に人が集まるだけでも感染リスクは高まるのですが、三密状態は最高レベルに危険な状態と言っても過言ではありません。

三密状態になると空間での人口密度が高くなるだけでなく、騒音でうるさくなり、人の吐く息に含まれる二酸化炭素の濃度が高くなります。そkどえ、三密状態を「見える化」するセンサーなどが開発され、飲食店や商業施設などに導入されるようになりました。

まとめ

三密とは、「密閉」「密集」「密接」のことであり、3つの密が重なる場所や場面は新型コロナウイルスの感染リスクが最も高くなります。感染拡大を防ぐためには密が重なる場所や場面を避けるのが一番の対策です。どのような場合に密になるのか確認して、対策をとっていきましょう。